■ 抄録・要旨
| 中国都市部の大気汚染は以前から問題となっていたが、近年の急激な経済発展に伴い、大気汚染の深刻化が進んでいる。米国の北京大使館では、PM2.5の測定値を公表していたが、2013年1月中旬から測定値が急激に増加し、世界中に報道された。我々は、2009年から中国の大学と粒子状物質に関する共同研究を進めており、2012年度の夏季、冬季は北京市、上海市も含めたPM2.5、PM1の同時観測を行ったが、冬季調査実施中に、2013年1月の高濃度が発生したため、この時のPM2.5試料の分析を行った。
分析を行った金属成分のうち、北京市のZn、As、Se、Cd、Pbの挙動は非常によく似ており、これらが同一の発生源から排出された可能性が高いと考えられた。併せて埼玉県におけるPM2.5の日単位の試料から、越境大気汚染の影響についても検討した。
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